胃カメラ

胃カメラ画像

当院では胃カメラによる食道および胃、十二指腸等の検査を実施しています。胃カメラは先端にCCDカメラという小型のカメラを搭載したファイバースコープを口または鼻から挿入していきます。これによって、食道、胃、十二指腸等の内部の様子をモニタで観察し、病変の有無などを調べていきます。ちなみに胃カメラは、正式には上部消化管内視鏡と呼ばれます。

同検査では鮮明な画像で臓器の内部を医師が観察することができるので、炎症やポリープ、潰瘍などの病変を比較的初期段階のものから見つけることができます。ファイバースコープの先端にはカメラのほかに鉗子なども付属しており、病変があった場合にその組織を胃カメラで採取して病理検査を行い、良性か悪性かの診断に役立てることもできます。

胃カメラは、胃がんや食道がん等の発見や治療方針の決定には非常に有効とされ、胃がんなどの原因となるピロリ菌の検査も胃カメラを利用して行うことができます。胃がんは初期には自覚症状が現れにくいとされていますが、早期に発見し治療を開始することで、5年生存率は90%を超えるという報告もあります(ステージ1の場合)。

胃カメラによる検査を受けた方がよいとされる方

  • みぞおちや、その周辺が痛む
  • 胃が痛い、不快感がある
  • 胸やけや喉または胸のつかえを感じる
  • 吐き気・嘔吐がある
  • 吐血をした
  • 急激に体重が減少した
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍を繰り返し発症している
  • ピロリ菌がいると言われた事がある、または過去にピロリ菌がいたことがある
  • 健康診断などの際、バリウムによる胃の造影検査で異常を指摘された
  • 家族に胃がん・食道がんになった人がいる
  • 飲酒や喫煙の習慣がある、ストレスを感じることが多い

など

胃カメラでは、以下のような疾患が発見される場合があります

  • 逆流性食道炎
  • 胃炎(急性・慢性)
  • 胃アニサキス症
  • 胃ポリープ
  • 十二指腸潰瘍
  • 食道がん
  • 食道ポリープ
  • 胃潰瘍
  • 胃がん

など

経鼻内視鏡について

胃カメラ画像

胃カメラには口からスコープを挿入する経口内視鏡のほかに、鼻から通す経鼻内視鏡もあります。経鼻内視鏡では経口内視鏡に比べて細い径のスコープを使用します。鼻からの挿入では舌の根にスコープが触れないため嘔吐反射(オエッとなる)が出にくく、苦痛が少ないとされています。そのほかの利点としては、検査中に医師と話をすることもできます。そのため異常を感じれば、医師に直接訴えることも可能です。経口による検査が苦手だという方は、お気軽にご相談ください。
※検査の際は通りのよい方の穴から内視鏡を挿入しますが、鼻に何らかの炎症や病気がある場合、経口による検査をお勧めすることがあります。

【鎮静剤の使用について】
当院では鎮静剤を用いた胃カメラ検査は行っていません。

胃カメラ検査の流れ

① 検査日時の決定
胃カメラによる検査にあたっては、基本的にまず外来を受診していただき医師の診察を受けることが必要になります。その際に現在の体調、感染症にかかっていないかなどを確認いたします。場合によっては血液検査を行うこともあります。また現在服用中のお薬(血液をさらさらにする薬など)の確認もいたします。
検査が可能と医師が判断されましたら、検査日時を決定して予約をしていただきます。また注意事項などをご説明いたします。
② 検査前日の注意点
前日の夕食は、なるべく早めに済ませるようにし、遅くとも21時を過ぎたら飲食はしないようにしてください。飲み物についての時間制限はありませんが、水、お茶程度にし、コーヒーなど色の付いた飲み物は控えてください。前日はアルコールを控えましょう。常用している薬がある場合の前日服用の可否については、医師の指示に従ってください。
③ 検査当日の注意点
当日は朝から検査終了まで食事は禁止となります。飲み物については検査2時間前までにコップ一杯ほどのお茶か水を飲む程度にしてください。また喫煙は胃液の分泌が多くなり、検査が行いにくくなるため禁煙をお願いします。当日の常用薬の服用についても医師の指示に従ってください。とくに糖尿病の患者様などは注意が必要です。
④ 検査
まず消泡剤を飲み、その後、経口の場合は液体の麻酔を一定時間喉に貯めておく咽頭麻酔、経鼻の場合は挿入する方の鼻腔に点鼻麻酔を行い、検査台に横になっていただきます。
体の左側を下にして横になった状態で、胃カメラを挿入し、胃や食道、十二指腸の内部を観察します。必要に応じて病変が疑われる組織の採取などの処置をします。経鼻であれば違和感などについて医師に訴えることができます。
一通り観察を終えたら胃カメラを抜去し検査は終了です。検査時間は、生検などの処置が無ければ5~10分程度です。
⑤ 検査終了後のご注意
  • 経口内視鏡で咽頭麻酔をした場合は、検査終了後1~2時間は飲食を控えてください。
  • 組織検査を行った場合は、お食事は2時間以上が経過してからにしてください。
  • 経鼻内視鏡検査を受けた後は、鼻を強くかまないようにしてください。
  • 検査後2~3日はアルコールや香辛料などの刺激物は控え、消化の良いものを摂るようにしましょう。
  • 検査の際に胃に空気を入れて膨らませるため、検査後はお腹が張りますが、次第に楽になります。